韓国人による北韓論(出版:2017/3 著:シンシアリー)

本書の特徴

著者は日本語に堪能な韓国人の歯医者さん。
ついつい過度な日本批判を行いがちな国民心理を、自国への皮肉も込めて、韓国政府がなぜ半日感情を強化したがるのかを、客観的な視点で綴られており、一読の価値があります。

他者への過剰な攻撃 その理由は

著者のシンシアリーさんの記述で、腑に落ちたのが次のような論述です。

■万物貴賤の二元論
「人やすべてのものには、貴賤(貴いか卑しいか)があり、その上下関係は覆すことができない」という儒教思想の一部が人々の根底にある。自分達が「上」である事を示すためには、自分たち以外の者を「下」であるように扱う必要がある。「上(勝ち)」か「下(負け)」かの二択ゆえ、相手の意見を聞くという中庸な思考を封殺せねばならず、行動が極端に映る。

隣国が「悪」である。ゆえに自国は「善」でありそれは覆せない。

二元論のロジックで動いているから、今までそんなんアリ!?と驚いていた韓国政府の「ちゃぶ台返し」も少しだけ理解ができます。

基本的な考えはこうなのかもしれません。
「私はもともと正当な勝者としての権利を持っていた。しかし、不当な手段によりその権利が奪われた。それは覆すことができない。ゆえに我々はその権利を生涯主張せねばならない」

これらのロジックで組織を運営するなら、常に新しい敵を作る必要があります。なので、韓国政府がどの国に寄り添いたいかで、批判の矛先は変わります。

反共(反北朝鮮)と半日(反日本)は、天秤の関係。

なので反共が弱まると反日が強まり、反日が弱まると反共(反北朝鮮)が強まる。

2019年の韓国首脳

現在は、反共(反北朝鮮)が弱いので、反日が強めになる、シンプルな理屈です。

そんな韓国の一般の方の多くは、他者へ意見を聞くときは、客観的な意見を欲しているわけではなく、自分の意見に同意するか、反対側(敵)かが最大の関心であるとのこと。

これは確かに、私もそういう時があるかもと、反省させられます。

隣国政府の驚きの行動の理由。
そして、北朝鮮の言動の理由を、こっそり教えてくれるそんな一冊。

シンシアリーさんの結構最近の日韓文化比較論。

さあ、貴方も、
読んでみいへん? 読んでみたん!?

韓国人による北韓論 Amazonレビュー